5年ほど前からロードバイクに乗り始め、特に最初の1年はほぼ毎日乗っていた。毎日のように乗っていると真っ先に問題になるのが荷物の扱い。降りた後に着替えたい自分はどうしても荷物がかさばってしまう。天候の変化も考慮して、CHROMEなどの防水メッセンジャーバッグを使っていたが、毎日の事だと肩や腰への負担が無視できない。荷物のほとんどをサドルバッグに移したいと考えるのに、それほど時間はかからなかった。それなりの収納量というのが最も重要な要件だったので、それに適うようなバッグを探し続けた。
キャラダイス ネルソン ロングフラップ サドルバッグ ブラック
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当時はあまり知識もなかったので、Amazonで見つけたRIXEN&KAULのフリーパックメタ2というものを使っていた。許容量26Lということで調べた中では最も大きかった。実際の使用感としては生地がストレッチせず、ぴったりしたジップアップがあるので、思ったよりも荷物が入らないなという印象だった。内部に支えのための鉄の棒が入っており、これが形を固定しているのも遊びが少ない一因だったのかもしれない。また、ワンタッチでサドルのアタッチメントから外せるので降車後はリュックとして使えることにも期待したのだが、想像以上にトラディショナルなデザインだったので、リュックとして使うのは早々にやめてしまった。
とはいえ、他によいものも見つからず、リュックとしては使わないのに大きなリュックをサドルに付けて乗っていた。ポケットは多かったので、諸々のアイテムを入れ分けるのには事欠かなかったけど。本来の用途から離れて久しいので、改めて大容量のサドルバッグを探す事にした。フリーパックメタ2より収納に余裕があり、できれば降車後はカバンとして使えるものであれば尚よい。その観点で見つけ出したのが、Carradiceのネルソン・ロングフラップという製品だった。
ネルソンのロングフラップの容量は15〜18Lとフリーパックメタ2に比べれば劣るが、その大きなフラップのおかげで遊びがかなり大きい。ジップアップのリュックと違って、ストラップさえ止めておけばバッグから荷物がはみ出しても問題ない。この構造であれば冬に普通のコートくらいだったら余裕で運べてしまう。見た目もクラシックで上品な作りなので、わりと自分好み。支えに使っているのは木材なので、フリーパックメタ2のような重量もない。ポケットが減る事が若干気にはなったが、それは工夫で何とかするつもり。
キャラダイス ネルソン ロングフラップ サドルバッグ グリーン
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あえて言うなら価格がネックだった。サドルに固定するにはバッグマンQRエクスペンドというキャリアも必要で、合わせると3万円近くになってしまう。以前は海外の通販サイトで割安で買えたようだが、今は取り扱いがない。金額的な躊躇は大きかったが、自分のニーズに完全にマッチしていたので思い切って買う事にした。某ECサイトのポイントキャンペーンに合わせて買ったので多少は還元されたけど。配送には時間がかかるかと思ったけど意外とすぐに手に入る。シートにキャリアを取り付けるため、若干シートのポジションをずらす必要があった。取り付け作業そのものもシートとキャリアとポストのバランスを取りつつ固定するのに一苦労。
バッグ側にも固定用アタッチメントの取り付けも必要。プラスチック製のパーツをバッグ側の木材に巻き付けるだけ。キャリア側の金具を絞って、バッグ側のパーツの穴にその金具を通して固定する感じ。RIXEN&KAULのアタッチメントに比べると、かなり素朴な作り。慣れるまで取り付けづらかったが、しばらくすると一発で固定できるようにはなった。フリーパックメタ2は固定するとサドルよりかなり高い位置にリュックが固定されてしまうので、蹴り上げてサドルに跨がるのは不可能だったが、ネルソンはサドル相当の高さに位置するので乗車もし易い。
あとは降車後のバッグとして使うことを考える。ネルソンにはショルダーストラップ的なものは付属していないので、使わなくなったショルダーバッグのストラップを流用した。ストラップ用の金属具は付いているので、取り付けは特に問題なし。プラスチックのアタッチメントが腰に当たって若干のストレスはあるものの、それほど違和感もなく利用できている。ロードへの取り付け時は、ショルダーストラップをバッグ内に仕舞い込んでしまえばよいだけ。これで着替えの持ち運びも、降車後のバッグの利用にも困らなくなった。以前は降車後に使うバッグもリュックに入れておくという非効率さだったので、荷物の量を減らすという観点でも大分改善した。
バッグの開閉がクラシックなベルトになって、アタッチメントへの取り付けも手動になってしまい、どちらも当初は面倒に感じたが慣れてくるとそれほど手間ではない。RIXEN&KAULのバッグに容量面や重量、あるいはデザイン的な不満を感じている人は一度検討してみる事をオススメする。もう少し安価に入手する方法があれば、尚いいんだけどねえ。