前回、コスト削減の観点でスカパー光から移行したひかりTV。サービスそのものには満足しているんだけど、導入初日からネットワーク問題が発生した。ひかりTVチューナーst-3200のセットアップは簡単で、電源入れて手近なスイッチにLANケーブルを接続するだけ。起動して幾つかの設定を済ませると、すぐにCS放送を視聴できるようになった。
その一方で、この辺りから徐々に異変に気付き始める。リビング作業だったのでwifi接続しているVAIOが手元にあったのだが、まずはそのノートPCがインターネットに繋がらなくなる。おかしいと思って手元のスマホをwifi接続で試してみても繋がらない。もしやとスイッチを見てみると8ポート分のLEDが全て点滅し続けている。他の部屋用のスイッチどれを見ても全てのLEDが点滅しているので、この時点ではLANの結線ミスで輻輳が起きているのではないかと疑った。
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いつも通り、まずは切り分けから。st-3200を落としみる。LEDの点滅が止む。切り分け終わり!w 何だ、やっぱりこいつかあ。もう少し調べてみるとst-3200でCS放送を受信しているときだけ、全LEDの点滅が始まり、設定画面や録画予約画面等では起きない。輻輳というよりはやはりCS放送の受信そのものに問題がありそう。ひかりTVのネットワーク障害をぐぐってみると、以下のような問題を見つけた。ビンゴ!
faq.hikaritv.net – 『TV視聴時にパソコンから無線LAN経由でインターネットに接続できません。』
実はこれを調べるのに、有線LAN接続されたデスクトップで普通にインターネットを使っていた。まさに無線LANだけの問題ということで、この内容に間違いなさそう。このQAの説明だけでは何が問題かさっぱりわからないが、少なくともIPv6に何らかの問題があるだろうから、そこに的を絞ってみる。調べてみると、ひかりTVのCS放送送信にはIPv6 multicastを使っているとの事。IPv6にはIPv4でいうところのbroadcastは存在せず、multicastで代用する。multicastではあるものの中継するスイッチがMLDを話せないと結局broadcast状態(※MLD : Multicast Listener Discovery)。broadcastだとスイッチングできない無線LAN機器が帯域を食い潰されて通信不能になる訳だ。
何とか無線LAN機器とst-3200をネットワーク的に分離したい。以下のようなネットワーク接続になっているのだが、
ブロードバンドルータ --- コアスイッチ --+-- リビング用スイッチ --- st-3200、他
+-- 寝室用スイッチ --- 無線LAN機器、他
+-- 各部屋
苦し紛れに無線LAN機器のみ根元で経路を分断してみる。
ブロードバンドルータ --+-- コアスイッチ --+-- リビング用スイッチ --- st-3200、他
+-- 無線LAN機器 +-- 寝室用スイッチ --- 他
+-- 各部屋
何と、これで無線LAN機器へのbroadcastがやんだ。うちはひかり電話を使っているので、ひかり電話用ルータをレンタルしているのだが、さすがにNTTが貸し出しているものだからか、どうやらIPv6 MLDを話せるらしい。これで無線は何とかなったものの、それ以外のノードには相変わらずbroadcastされてしまう。もう少し発想を変えて以下のような結線に変更。
ブロードバンドルータ --+-- コアスイッチ --+-- 寝室用スイッチ --- 無線LAN機器、他
| +-- 各部屋
+-- リビング用スイッチ --- st-3200、他
リビングから伸びているLANは1Fから2Fへのものなので、壁付けコアスイッチのカバーを緩めてケーブルを外に引っ張り出して、無理矢理ルータに直結させている格好。見た目みっともないんだけど、これでIPv6 multicastをリビングのみに閉じ込める事ができた。あとはリビングのスイッチをMLDスヌーピングに対応したスイッチに交換すれば完璧。そのリプレイスについてはまた次回ということで。