ウォーリアーズが快進撃を続ける中で迎えたオールスター。今回の注目は今シーズンで引退を表明しているコービー。シャック引退時にもスリーピートを達成した往年のコンビでオールスターを盛り上げ、2人共々MVPを受賞。今回のオールスターでもブルズのバトラー代役で連覇達成時の相方ガソルが出場する。いつものお祭り騒ぎな気分よりはどこか少し寂しい雰囲気のオールスター戦が始まった。
序盤は本来、攻撃力の高いウエストのスリーポイントが外れ、イーストが主導権を握る。特に大怪我から復帰したポール・ジョージの活躍が目を引いた。今期伸びているスリーポイントだけでなく、ペイント内からの得点も重ねる。一見、イーストの流れのように見えたが、ちょこちょことターンノーバーからの得点を許してしまい、実際はそれほど得点差を広げることができなかった。
イーストの個人技が目立つ一方で、ウエストのチームプレイが光る。というのも、ウエストのガード陣が極めて魅力的。ウォリアーズ快進撃の立役者でスーパースターの仲間入りを果たしたカリー、NBAナンバー1ガードと言われ続けているクリス・ポール、そして人間離れした運動能力を誇るウェストブルック。ウェストブルックは運動能力を生かした得点力だけでなく、今期はアシスト数も伸ばしている。これだけの面子が入れ代わり立ち代わりガードを務めてしまうと、イーストもなかなかペースを掴めない。
後半に入ると、この3人を中心にバックコート陣のスリーポイントが入り出す。クレイ・トンプソンやハーデンのスリーポイントまで入ってしまうと、もはや手が付けられない。イーストにはいわゆる2003年組と呼ばれているレブロン、カーメロ、ウェイドがいるが、3人共スリーポイントはむらがあり、この日は残念ながら当たらない。まさに昨今のNBAの趨勢を表すようなスリーポイントラッシュで、ウエストがハイスコアゲームを制した。
ウエストを率いていたスパーズHCのポポビッチはスリーポイントを中心とした戦略をそれほど好むタイプではない。どのような采配を取るのかと少し興味もあったが、オールスターとなるとさすがに選手の裁量に任す感じになるのか。USA代表のHCにも就任したようなので、割と速攻主体だったチームUSAがどのように変化していくのかも楽しみだ。
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さて、我らがコービーはどうしたかと言えば、終始にこやかな表情でレブロンやガソルとの1対1を楽しんでいた。歯を食いしばり、痛みをこらえ、闘志むき出しのコービーはそこにはもういなかった。どうしても少し寂しい気持ちになってしまうが、それがジョーダン引退後のNBAを牽引してきたコービー最後のオールスター戦となった。
全体を通して見れば、ウェストブルックの超人振りが最も際立っていた。ウォリアーズの快進撃を止める可能性があるのは、スパーズくらいかなと思っていたが、サンダーもまだまだ期待ができそうだ。後半戦のトレードでもう1人くらい一線級の選手を獲得できれば大きな躍進が望める。イーストもアービングやローズ、ジョン・ウォールといったガード陣がウエストに引けを取らないくらい成長して、プレーオフを盛り上げて欲しい。今期の後半戦も楽しみだ。